研究内容

『生体内のさまざまな臓器で起きている大規模な細胞内分解現象』の根本的かつ普遍的なメカニズム、意義、関連疾患を解明し、医学の発展への貢献を目指す

生体内では様々な臓器で大規模な細胞内分解が起きていますが、それらの多くは未だに分子機構や生理的意義が不明です。臓器特異的な生理現象であっても、劇的な現象の背景には何らかのメカニズムが存在しており、そのメカニズムが根本的、普遍的で、かつ新規であれば、新たな研究領域の創出、関連疾患の病態解明、医学の発展につながると考えられます。

代表的な細胞内分解システムとして、これまでにオートファジーやユビキチン・プロテアソーム系が知られていますが、私たちは最近、これらの分解システムとは異なる新たなオルガネラ分解機構(サイトゾルの脂質代謝酵素PLAATが損傷オルガネラに選択的に局在化し、それらのオルガネラ膜の分解を誘導する)が目の水晶体に存在することを見出しました(森下英晃* [*共同責任著者] et al., Nature 2021)。また肝臓、消化管、肺、初期胚などにおけるオートファジーの新規生理機能の同定にも成功しています(Mol Cell 2016, eLife 2019, Cell Rep 2020, Dev Cell 2023など)。

現在、私たちはさらに視野を広げながら、独自に構築したin vivo 4D(空間3次元+時間)スクリーニング系、高深度オミックス技術、ゲノム編集技術、モデル生物(ゼブラフィッシュ、マウス)、in vitro再構成技術、理論生物学などを駆使し、生体内で起きている不思議な細胞内分解現象のメカニズム、意義、関連疾患の解明を目指しています。これらの研究の成果は、関連疾患の病態解明や新規予防・治療法の開発に向けた基盤的情報の創出に貢献します。

九州大学大学院医学研究院生体機能学分野

森下研究室

〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
基礎研究A棟3階 生体機能学分野

Molecular Cell Biology

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